運動の能力を表現するときに
『身体能力』と言うことが多いかと思います。
みなさんも耳にする言葉ではないでしょうか。
様々なスポーツについてこの言葉が出てきます。
この言葉を何を基準とするかでも
その評価が変わってくることでしょう。
私がスポーツに関わって、かつ医療の現場で
アスリートという方々のパフォーマンスを数えきれない
ほどに見てきました。
その中で、
どの方が一番に身体能力が優れていたかということは
とても表現しにくく難しいことになります。
しかし、
印象に残るアスリートは海外、そして日本国内でも
大勢見ています。
その中で
生命(いのち)の危険性を伴った状況での
身体能力の高さを発揮する方と出会ったことを
時々想い出します。
その方の活躍するフィールドは
大自然の中で行うロッククライミングです。
クライミングの中には
命綱なしで行うフリークライミングもあります。
私が出会った方は
ロッククライミングを行なうアスリートです。
そのバランス能力の高さは正に日頃の訓練の証でしょう。
このスポーツは身体能力に加えて、
精神力・集中力の高さが非常に大きく左右されます。
そしてどのような状況にも冷静に判断する能力が
必要でしょう。
人間が自分自身の命を自分の行動でコントロールする
ことは、普通の生活環境では想像することは困難でしょう。
山の、断崖絶壁の高所でロープ1本に自分の命を預けて
山の頂を目指していくことは、ものすごく訓練された
人間にしかできないことではないでしょうか。
そのスポーツは
身体の全ての筋肉そして神経に研ぎ澄まされた
力が伝わっていくのでしょう。
一瞬の気の緩みも許されない世界で
最高のパフォーマンスを出し切らなくてはならないのです。
たとえば、
テニスやゴルフ、野球などで
『今のプレーは一瞬のすきがありました』などという
コメントを耳にすることがあるかも知れません。
では、
クライミングの状況で、一瞬のすき・・・
許されないのでしょう。
どのスポーツが優れていて、どのスポーツが劣っている、
とそのような話ではなく、
人間は置かれた環境で自分のすべきことを判断して、
最大限の力を発揮することができ、そのための精神力も
究極の状況に追い込みながらも冷静に判断できるのだと
いうことを
全てのアスリートが考えながらチャレンジしていけば
更なる飛躍が可能ではないかとも思います。
少し話がずれましたが、
私がお会いしたクライミングのアスリートの方の
身体バランス能力と状況判断の冷静さと集中力は
いまだに忘れることのできないものです。
数年前に
私と仲間がチャレンジした
断崖絶壁の滝を1本のロープで降りていく時に
ガイドをしていただいた方々の身体能力の高さは
今までに見たことのないほどのものでした。
大げさなようですが
あまり高いところが得意ではない私が
極限の精神状況でどうにかその状況を乗り越えれたのも
冷静な判断をしてくれたガイドさんたちのおかげでしょう。
その後の私は
クライマーの方々のトレーニング方法を勉強したことは
いうまでもありません。
まるで猿のような身のこなしはどのスポーツにも
適応する能力に間違いないと確信した瞬間でした。
轟音の滝の中の岩場を
ぴょんぴょん飛び跳ねて駆け抜けることは
ただ者ではありません!
まだまだ
すごい人々はたくさんいます。
視野を広く持つことがチャレンジの第一歩です。
多くのアスリートにお会いできることを願っています。
しかし、怖かったなぁ・・・あの滝!
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