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プロコーチ/トレーナー井上正之の活動日記 CONDITIONINGの鉄人

井上 正之

アメリカ・フロリダのテニスアカデミー出身。プロ登録。トーナメントを転戦、選手育成にも携わる。
さらに、アラバマ大学に進学しスポーツ医療・トレーニング理論を学ぶ。
帰国後、トップジュニア育成に携わり全国タイトル獲得の選手を多数輩出。
トレーニングの重要性を伝えるためいち早く導入。その後、Astar Sports Medical Center 井上整骨院・鍼灸院を開業『医療の目』・『スポーツの目』を持って活動し、現在もジュニアからプロ選手までのコーチングとコンディショニングに務める。

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分裂膝蓋骨

分裂膝蓋骨に関する質問コメントをいただきましたので
そのような症状に対して参考になればと思います。

今回の内容は
低学年のお子様の分裂膝蓋骨の症状に対する当院からの
アイデアとして掲載いたします。
少し長い文章ですがご了承ください。

分裂膝蓋骨につきましては、低学年のお子様の場合は
その年齢を考えるとご家族が心配されていることと思います。

複数の整形外科を受診して意見の違う診断が出ることも
少なくはないでしょう。

そこでの経過として気になることは
すでに受診されている整形外科でのリハビリの有無はいかがでしょうか?

この症状については一般的にレントゲン検査に加えて
CTでの細かい検査を行う場合もあります。

その上で、症状の発生原因を診断してからその症状に対しての治療を
行っていきます。安静の期間を設けることは一般的です。

特にサッカーなどの激しいスポーツでは一時的に休むことは
必要かと思われます。

そこで、安静期間に関してですが、
この症状に関してはレントゲン検査などによる判断で決められた
治療方針やリハビリ方針によって大きく変わってきます。

必要なことは、診断されました医師による治療計画やリハビリ計画
またはそれらに対応する指導が大切となります。

ただ単に、絶対安静ですよというような答えや、
運動してもいいですよというような答えだけではなく
そこに加えて、安静ならばその見込み期間を
リハビリならばその方法と頻度などの詳細を
さらにはそれら方針以外に症状の改善が見られない場合は
その先の見解をしっかりとお聞きすることが大切だとおもいます。

一般的な意見は、痛みが取れてからは膝に関わる筋肉の過伸長や
強いストレスによる膝蓋骨へ負担の軽減を考えて、
適切な運動(筋肉に対する運動のようなもの)を行い
筋緊張の緩和に対応していきます。

また、痛みの再発があるようでしたならば、さらなるリハビリ方法を
再検討していきます。

その他には、理学療法といって、各種治療機器を利用しながら
患部の炎症に加療を行い、さらに周辺筋肉に対しても加療していきます。
この治療機器による理学療法もリハビリと並行で行うことも
とても有効な場合があります。

さらには、局所の痛みが取れない場合は局所注射も検討しますが、
お子様の年齢を考えればそのような状態にならないように
前段階でしっかりとケアすることに重点を置いたほうがよいかと思います。

手術という言葉は最終段階ですので
そこまでに至らないように保存的に進めていくことに
今の段階では必要かとも思います。

1件目『安静』と2件目『スポーツ開始可能』という医師の見解が
大きく分かれているような場合はご家族は迷ってしまうかもしれませんね。

その場合は、やはり3rd.オピニオンとして第3の医師の意見を
聞いてから判断されることも選択肢ではないでしょうか。

4週間くらいの経過では、2件目の医師の言葉のように運動をしても
良い時期だとも推測できますが、しかし、いきなりサッカーのように
激しい運動をすると痛みの再発が心配されます。

通常、運動再開では、先に書きましたように、リハビリとしての
治療機器やマッサージ、関節運動などで筋肉の緊張をしっかりと
取りながら少しずつのスポーツへの復帰が大切かと思います。

特に低学年のお子様の年齢の場合は、
周りの大人が言葉で説明して気を付けるように言っても、
スポーツを開始してしまうと楽しくて自己管理が難しくなって
しまいますので、スポーツの運動量については周りの大人の
指導管理が重要です。

症状にもよりますが、一般的には当院での処置は、
レントゲンの様子と医師の指導をもとに、
まず理学療法の医療機器を数種類実施してからマッサージと
関節運動のリハビリを行います。

まずは1~2週間を目安に施術してから
次に簡単な体操を指導します。強いストレッチは行わないで
ゆっくり丁寧に行うような反復体操を行います。
それを自宅でご家族と一緒に行うようにします。
(ご家族と一緒に行うことがポイントです) 

次のステップでは
痛みがないことを条件に走ることを始めます。
サッカーはその後のスタートとなります。

まずは日常動作で、お友達と走り回ったりご家族と体操したりして、
そこに加えて、治療とリハビリを並行に進めていき、
問題なければサッカーを開始いたします。

通常ならば、発症後4週間経過しているような場合で、
すぐに痛みがなくなりその後も痛みのない状態であれば、
その状況を経過日数だけで判断すれば、
運動をしても良い状況にも考えられますが、
しかし、それまでにリハビリや治療を何もしていないようならば、
やはり専門機関でリハビリ等を始めてから
その経過とともに運動を開始することをお勧めいたします。

症状に対しての判断は
1件目の先生の考えのように、骨の癒合の目標を優先する見解もあります。

しかし、骨の保存的に癒合をすすめていく場合には
装具(固定具)などを装着することを行う機関もあります。

しかしその場合は、骨の癒合が期待できるような状況で
かつ症状や分裂の原因が推測できるときに
その経過などで固定による骨の癒合を図ることも行われています。

その場合はギプス固定も考えられるために、
お子様の生活の制限を考えるととても厳しい選択肢の
一つではあります。さらに装具の除去後にもリハビリが必要に
なりますので、その負担も検討しなくてはなりません。


まとめると、1件目の先生の見解も2件目の先生の見解につきましても、
リハビリや治療といった形で筋肉の緊張を軽減することを
同時に行うことが大切だと思います。
(症状によってはその限りでない場合もあります)

そのような治療やリハビリの『手当て』を行う医療機関に
受診されることをお勧めいたします。

その上で、スポーツの復帰のタイミングを検討されることが
よいかと思われます。

一般的な意見ではなく、あくまでもお子様の骨の状態を診て
その上で治療計画を立ててスポーツ復帰が必要でしょう。

お子様に対しては、
ケガの状況をはっきりと先生や親からの説明がなく漠然と
『休め・走るな・運動するな』と言われて
遊べなくなりストレスを感じることは一番避けるべきでしょう。

子供も自分のケガのことが『理解』できれば
ちゃんとケガの治療のための対応はできるはずです。
治るまでの見通しのわかりやすい説明は子供にも大切でしょう。

安静期間が必要な場合も
お子様がしっかりと理解できるようにしてあげてください。

そのためにも
検査の結果を判断して今後の方針を説明してリハビリ、治療を実施して、
さらに自宅などでの日常の指導などの説明を受けてください。
(説明がなければ、先生にこれらのことをご家族から質問して
説明を受けることも大切です)


症状に対する処置としての治療・リハビリの実施と、
それらを実施するための計画についての説明、
そして経過の良好もしくは不良の場合の時のさらなる方針などを
しっかりと医療機関に説明をしてもらうことが大切です。
説明がなければ質問することが大切です。

症状によって
それらの期間は様々ですので、一般意見ではなく、
ケガをされているお子様の状態を適切な検査結果をもとに
診察を受けることが必要です。

現在の医療は、インフォームドコンセントといって
説明と『同意』が重要です。
そのために患者様サイドが医療機関の判断を選択していく
ことも必要ですので、
その行動はとても大変ですが、第2、第3の意見を自らの行動によって
適切な先生と治療との出会いが可能となります。

一時の行動が大きく良い結果となることを願っています。



医療 | 投稿者 井上正之 23:43 | コメント(1) | トラックバック(0)